
Above & Beyond / Love, Love, Love
爽やかな都会の風を運ぶ、80sカナダ産Fusion Popの隠れた宝石
唯一のリリースながら輝きを放つ隠れたマスターピース
1982年、カナダのカルトなレーベルSiameseからひっそりとリリースされたAbove & Beyondの12インチシングル Love, Love, Love のレコメンド。この名義では唯一のリリースとなる楽曲ながら、その完成度の高さは知る人ぞ知る隠れたマスターピースと呼ぶにふさわしい1曲です。SiameseといえばKlein & M.B.O.やTwinsといったエレクトロ色の強いアンダーグラウンドな作品を思い浮かべますね〜しかしこの Love, Love, Love はそのレーベルイメージを良い意味で裏切る、驚くほど爽やかなライトFusion Popに仕上がっています。
都会的で透明感あふれるFusion Popサウンド
聴けば瞬間に広がるのは、軽やかなホーンと清々しいギターリフ…そこに瑞々しい男性ヴォーカルが重なり、都会的で透明感のあるサウンドスケープが立ち上がります。タイトに刻まれるドラムと軽快なベースラインが生み出すグルーヴは決してハデではありませんが、洗練されたアンサンブルが絶妙なバランスで組み上げられており、聴き進めるほどに心地よさが増していきます。特に印象的なのが、サビで繰り返される「Love, Love, Love, Woo Woo♪」というキャッチーなフレーズ。シンプルで覚えやすいメロディながら、どこかロマンチックで軽やかな高揚感を持ったラインは、一度耳にすると自然と口ずさみたくなる魅力を持っています。リリックの内容もストレートに愛の喜びをテーマにしたポジティブなメッセージで、楽曲の爽やかな空気感をさらに際立たせています。
洗練されたアレンジが生み出すドラマティックな展開
中盤のブレイクではサックスやエレクトリック・ピアノが軽やかなソロを披露し、その後に訪れるドラムブレイクがグルーヴをイッキに引き締めます。この展開が実にドラマティックで、クラブDJにとってもミックスのアクセントとして機能する瞬間と言えるでしょう。この楽曲のプロデュースを手がけたKris Stainesは、後に日本のアーティストの作品にも関わるなど、洗練されたPopプロダクションで知られる人物です。本作でもそのセンスは存分に発揮されており、メロディアスなFusionの要素を取り入れながらも、決して技巧に走らず、歌を引き立てるアレンジに徹している点が非常に印象的です。そのサウンドは、現在世界的に再評価されているCity Popの感覚とも不思議なほど共鳴していますね。
今だからこそ再発見したい80s Pop Fusionの名曲
都会的で洗練されているのにどこか温かみがあり、夜風のように軽やかなアンサンブル…まさに今の時代のリスナーにこそ新鮮に響くタイプの80年代サウンドです。大きなヒットチャートに名を残したワケではありませんが、こうした「埋もれた名曲」こそレコード探しの醍醐味ですねよねっ!Above & Beyond / Love, Love, Love は、静かに輝き続ける80s Pop Fusionの隠れた宝石と言えるでしょう。もしこのレコードを見つけたなら、ぜひ迷わず針を落としてみてくださいっ!きっとその爽やかなグルーヴに心を奪われるハズですよ。

